「生きる」という王道テーマを、大災害後の地球でのサバイバルという文字通り
の意味で扱った作品。
久々に面白い作品だった、☆4。
少女漫画家の田村由美という人で「BASARA」とかいう作品も描いているらしいが、
オレはこれが初見作品、最近の作品でミステリーとかもあるらしいのでそれもチェックしとくかなと。
細かい説明は省く、面白い部分は
世代間(冷凍開始時期や解凍)を微妙にずらしている点。
現在(2019)でさえここ十数年で結構変わっているので道具などに見られる「ずれ」が面白い。一応現役サバイバルする人たちは大体30歳以下の若者がほとんどだが、生まれや解凍時期で10歳以上差があったりする。
又バンドとかでいう化学反応、局所的に優秀な人間と一般人のチームとその対比・協力という人間模様も大きな見所で色々考えさせられるドラマが多数。
ダメな点もかなりある。
まず絵が下手。これはほとんどの人が分かっていると思うし、作者も分かっているだろう。
だけど自分としては本質的でないのであまり気にはならない。
物理的展開(海や暗闇など特にぬるい)やリアル人間展開(状況共有や危機感など)もかなりおかしな部分がある(ご都合展開)と感じるが、実際どこまでおかしいかは想像しにくいとも言える。
実際歴史的にこういう断絶方をすると道徳感も狂う感じになるというのはリアルっぽい。
安居と花のやりとりも現代感覚だと納得しやすいものの、実際の歴史で「この程度」のことは歴史上腐るほどあるだろうと思う。
しかし逆にこの状況でさえ、現代知識があるということは途方もない武器だとも思える。
疑問もたくさんある、なぜ日本にこだわっているのとか。最後に外国関連が少しでてくるがそもそも海も陸も楽に移動しすぎだと思うんだけど。
エキスパート組も道徳とか法律教えておけばよかったというか、社会形成を維持することを目標とするならサバイバルできてもこうなるよねって部分がそのままでてる気がする。時間がなかった?粗が結構ある気がする。
しかしこの作品を考えるのはかなり豊富な知識と力量がいるはずで、はっきりいって完璧(なシミュレーション)とは程遠いとは思うが書ききった作者はすごいとも思う。